04.ある日 森の中 魔法使いの女の子に 出会った

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「トウマ……トウマね。ふーん、なかなかいい名前じゃない。私の名前はリーリアよ。トウマ、さっきは私を助けてくれてありがとうね。おかげでトレントに食べられずに済んだわ」 「私からもお礼を言わせてください。リーリアを助けてくださって本当にありがとうございました」 「いや、俺のほうこそ。君が来てくれなかったら、そこで黒コゲになってる2匹に喰われてたところだよ」 「いえいえ、大したことはしていませんよ。それにしても、トウマさんも凄いですね。武器も持っていないのにトレントを倒してしまうなんて」  ティナが俺の後ろで倒れたままもがき続ける人面樹に目を向ける。この樹の化物(バケモノ)、トレントって名前なのか。 「とどめを刺せてないから倒したとは言いづらいけどな。そういえば、君がさっき飛ばした火の玉……あれも『魔法』ってやつか?」 「ご存知なんですか? もしかして、トウマさんの世界にも魔法が?」 「いや、実際にあるわけじゃないんだが。伝承とかお伽噺(とぎばなし)として残ってる……という程度だよ」 「そうでしたか」 「その……この世界じゃ皆が魔法を使えるのか? もしかして、俺でも使えたりする?」  俺は先ほどから気になっていたことを思い切って訊ねてみた。せっかく異世界などという場所に来れたのだから、できるものなら一度は魔法というものを使ってみたいと思うのは男の(さが)だ。     
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