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ふむ、要するに魔法というのは精霊とやらの力を借りつつ、言葉による自己暗示で物理法則をねじ曲げる技術ということか。
それにしても……だ。あれほど常識外れな威力を生み出せるくせに、魔法というのは妙なところで理に適ってるんだな。
「さっき使った魔法の『ファイアボール』という名称も、火の玉を思い浮かべやすいように決めたんですよ。『なるべく単純に、起こしたい現象を強くイメージできる言葉で』というのが基本です」
「じゃあ『超・爆熱豪火1兆℃大火球』なんて名前を付けたからって、もの凄い威力の火の玉が出たりはしないってことか」
「それで大きな火の玉をイメージできるのなら、威力を上げる一助にはなるかもしれませんが……さすがにそのネーミングはどうなんでしょう」
ティナは対応に困ったかのような表情で「あはは……」と笑ってみせた。
うん、こんなしょうもない質問にも誠実に対応してくれるあたり、この娘は性格もいいみたいだぞ。
「逆にイメージさえしっかり固められるなら、呪文を省略して名称だけを口にしても魔法は発動できます。その場合は引き出せる精霊の力が少なくなりますから、威力はかなり落ちてしまいますけど」
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