04.ある日 森の中 魔法使いの女の子に 出会った

7/9
426人が本棚に入れています
本棚に追加
/823ページ
 ふむ、要するに魔法というのは精霊とやらの力を借りつつ、言葉による自己暗示で物理法則をねじ曲げる技術ということか。  それにしても……だ。あれほど常識外れな威力を生み出せるくせに、魔法というのは妙なところで理に適ってるんだな。 「さっき使った魔法の『ファイアボール』という名称も、火の玉を思い浮かべやすいように決めたんですよ。『なるべく単純に、起こしたい現象を強くイメージできる言葉で』というのが基本です」 「じゃあ『超・爆熱豪火1兆℃大火球』なんて名前を付けたからって、もの凄い威力の火の玉が出たりはしないってことか」 「それで大きな火の玉をイメージできるのなら、威力を上げる一助にはなるかもしれませんが……さすがにそのネーミングはどうなんでしょう」  ティナは対応に困ったかのような表情で「あはは……」と笑ってみせた。  うん、こんなしょうもない質問にも誠実に対応してくれるあたり、この()は性格もいいみたいだぞ。 「逆にイメージさえしっかり固められるなら、呪文を省略して名称だけを口にしても魔法は発動できます。その場合は引き出せる精霊の力が少なくなりますから、威力はかなり落ちてしまいますけど」     
/823ページ

最初のコメントを投稿しよう!