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05.魔法使いの一族と女神の涙
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ティナに連れられてしばらく歩くと、ようやく森の出口が見えてきた。
鬱蒼とした森を抜けると急に視界が開け、景色が目に飛び込んでくる。
「おおー……」
眼前に広がる光景を見て、俺は思わず感嘆の声を上げていた。そこにあったのは、まさに漫画やゲームの中に出てくるような風景だったのだ。
俺たちが出てきた森は小高い丘の上にあり、そこから下を一望することができた。
(一方を見れば果てしなく広がる草原と森、もう一方を見れば荒地と岩山か。これまた絵に描いたような絶景だな)
正面には草原を2つに分けるようにして大きな川が流れている。そしてその畔には、3キロ四方ほどの壁に囲まれた町があった。
「あれが私たちの住む町、マローダです。それほど大きな町ではありませんが、冒険者が多く立ち寄るので結構賑やかなんですよ」
「へぇ、冒険者の町か」
しばらく歩いてゆくと、町を囲む壁が近づいてきた。高さは7~8メートルといったところだが、そこそこ立派な造りのようだ。
「ふう、なんとか無事に辿り着けたな。道中また魔物でも出ないかと警戒してたんだが」
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