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菜々の目的
近づくほど現実味が無くなるものだ。
今日は3日ぶりの晴天だ。遠く太平洋を通った台風が雲を連れ去り雲のない空だ。
窓を開け空を見上げる。レースのカーテンが風で外へ流れ出る。気持ちがいい。
清々しい。そこへ表現しづらい不安が混ざる。
子供の頃はただただ夏の晴天が嬉しかった。プールで飛び跳ねたり、友達と外を走り回っては流れる汗を手の甲でぬぐった。汗をかいた後の麦茶は最高に美味しかった。
いつの日か気持ちよさと同時に不安も抱えるようになった。
冬の空と夏の空の色は同じ青でも透明度も色も違う。
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