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机の上に花が飾られた
君の机にクラスの数人が集まる。
花を添えたのはクラスの委員長。
ずっと心配してたけど、その日が来た。
菊の花だけがある。その席に君はいない。
小さい時にあの子とはよく花冠を作った。笑った顔がシロツメクサみたいで白くてふんわりしてる。
「私 弱っちいから…何かあったら助けてね。」
笑顔がふっと萎れる。俯く君の顔を覗き込んで私は言った。
「もちろんよ!」
君のフワフワの細い髪に花冠を被せた。
私の親友、同じ団地の同い年。風邪でよく休む子だったから、お見舞いにゼリーを持って行ってあげる。ありがとうって言いながら潤ませる目は、小さなゼリーみたいだった。
中学生になって、午前の授業を保健室で過ごす事が多かった。けど、午後の授業にはどうにか出席してた。
時々、苦しそうにお腹を押さえる…、手が震えてる。助けて上げられない、教室ではどうしていいか分からなかった。
でも、同じ部活に入ったから、美術室では隣に並んで座る。こっそり持って来た漫画を一緒に読む。君が笑える話を選んで、2人で笑える話をするよ…。
君は一日を保健室で過ごした時も、部活には来てくれた。私に会う為に。
けど、ある日、そんな部活にも来なくなった。
それは、悪い報せでもあった。
ゼリーを持って205号室に走っていく。
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