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私たちは、同士だ
本気でやりきった
もう、これ以上の作品が書けないと思う程に
彼は、高校生だと思う
幼い
着慣れないスーツ姿が窮屈そうだ
私以上に人見知りなのだろう
高校生にしては、低身長な体がこわばって
より小さく見える
まるで高校時代の自分を見ているようだ
まゆ猫の目を見て答える
「ねぇ・・・このパーティーつまんなくない??
おねーさんと一緒に抜け出さない??」
「えっ??」
少年は、きょとんとした
「先輩、まゆ猫先生、緊張して具合い悪いみたい
3人でちょっと外に行こ」
「お前!もうすぐ授賞式だぞ!!」
「いいのいいの!!誰かが言ってたじゃん
エスケープ♪」
二人の手を取り私は、会場をでた
そのまま先輩のスポーツカーがある駐車場へ
「王子、大丈夫か??具合い悪いなら部屋とるぞ??
ってお前は、俺の車まできてどーすんだよ!!」
「先輩、今日まで努力した私のお願い聞いてくれてもいいんじゃない??
3人でドライブドライブ♪」
先輩は、うなりながらも車をだしてくれた
先輩は、運転席
王子は、後ろの真ん中に
私は、助手席に
「後で、3人でちゃんと編集長に謝るからな!!」
「わかってますって!!ね!王子!!」
「塩むすび先生まで王子って・・・・
僕そんなに偉大じゃないのに・・・」
助手席から身を乗り出して王子に熱弁した
「何言ってるの!?あれほどのストーリーの面白さを持ち合わせといて!!
私、初めてだったんだから
自分からイラストを描きたいなんていったの
先輩にお願いされたのもあるけど」
先輩に目配せした
「王子が塩むすび先生のファンなのは、知っていたがこの作品を
ヒットさせるにはどうしても塩むすび先生に描いてもらう
必要があった
俺が担当編集になって改訂前の原稿が手元にあった
きっとこれを読めば自分が書きたいと言い出すと思ったんだ
光屋文庫のトップオブトップの塩むすび先生が
無名新人のイラストなんて普通なら描かせられない
失礼にあたる
けど先生本人から描きたいと言われて断れる訳ないだろ」
「谷崎さんっ策士なんですね
そのおかげで僕は、処女作で塩むすび先生に描いてもらうことができたので
有頂天ですが」
改めて褒められると恥ずかしいものだ
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