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舞踏会へ
鏡に映る別人の姿
なんて綺麗な人なんだろうと見とれた
「ふふふ、お客様、おきれいですよ」
従業員さんの声で我に帰った
「えっ!?これ私!!??」
なんとも素っ頓狂な声だ
「女性は、みんな綺麗なんですよ
お客様の美しさのお手伝いができて私は幸せです
それでは、谷崎様のところに戻りましょうか」
先輩の反応が気になる
「先輩・・・どうですか?」
その言葉をかき消すように
「さすがです!!頼ってよかった!!
ほら、ぼーとしてないでいくぞ!!
パーティーが始まる!!」
そそくさとショップを後にした
従業員さんに聞いた事が蘇る
パリコレに出れる程の実力
トップモデルをしていたのだから私なんか
綺麗のうちに入らないのだろう
少しふてくされた自分が嫌になった
「よし!ついたぞ!!」
そこのホテルは、テレビで見る様な豪勢なホテルだった
有名人の結婚式なんかは、ここでやるのだろうなと
圧倒された
きらびやかなパーティー会場
萎縮してしまう
「塩むすび先生!!」
聞き慣れた声だが萎縮した私には、爆弾だった
「あっ・・あぁ・・中川さん・・・」
ウキウキとした足取りで編集長の中川さんが近寄ってくる
「先生、きてくださったんですね!!
僕が誘ってもきてくれた事なかったのに・・・谷崎くんだと
きてくれるとか妬けちゃうな・・・」
「編集長、違いますよ。僕が無理矢理連れてきたんです」
「僕も無理矢理連れてこればよかったな・・・あっ谷崎くん、先生のお飲物よういして」
先輩があわてて飲み物を取りにいった
「中川さん、先輩、トップモデルだったんですか?」
きょとんとした顔で
「えっ?先生、知らなかったの?トップもトップ、彼が表紙を飾れば
通常売り上げの3倍だよ」
衝撃すぎて言葉も出ない
「ファッション雑誌には、かわいそうだけど元々編集部のバイトを希望して
光屋文庫に来たんだよ
そこで、ファッション雑誌の編集に口説かれたんだ
けど、彼、ファッションに興味なくてね
どうしても文庫編集で働きたい大学卒業したら編集で働きたいって頑固でね
ファッション雑誌が妥協案を出したんだ
モデルをやってくれるなら編集部への就職を斡旋すると
斡旋はするが最終の判断は、文庫側の判断に委ねると
プラスで読みたい文庫をプレゼントする」
謎は、深まるばかりだ
「なぜ、そこまでして・・・」
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