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プロローグ
絵の具のにおいが充満する美術室は、校舎の端っこ
渡り廊下で繋がれた別館の体育館と自転車置き場に挟まれた
生徒には、身近な教室だった
夏場の暑苦しさを紛らわす為にすべての窓は、全開で
体育館からは、バスケ部のボールがはねる音と
きゅっきゅっというグリップの音が心地よい風鈴の様だった
汗臭い青春も誰かに恋する声援も無縁の美術部
「夏のインターハイ、優勝した。お前の事を考えながら試合したんだ。
俺、決めてたんだ。優勝したら告白するって・・・・俺と付き合ってくれ」
「・・・・先輩」
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