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私は「教え合いっこ」が好きだった。
好きだった彼・Kくんは算数が得意。一方の私は算数、今で言う理数系はからっきし…(苦笑)
…なので、Kくんに算数を教えて貰って、私は国語を教えてあげていた。
そんな他愛の無い時間が好きだった。
Kくんとは一緒の機会が多かった。
クラスは勿論、席も隣で、クラブも一緒。
Kくんはちょっとツンなところがあるけれど優しくて、話していても楽しい。
私は段々とKくんに惹かれていったのだった…。
だけれども、不思議な事に、Kくんとお家で遊んだ事は無い。
それに、バレンタインのチョコを渡した事だって無い。
当時、アイドル的に人気だった他の男の子には渡した、のに……。
他に私に「普通に・優しく」接してくれた男の子のTくん2人とは家で遊んだ事もある。
Kくんとは お互いに 不器用な恋、 だったのかもしれない……。
…これは、私の勝手な自惚れかもしれないが…、多分、Kくんとは両想いだった。
しかし、別れは突然に。
卒業式の日に聞いた。
「Kくん、引っ越すから地元の中学へ進学しないんだって」
…………。
…私は迷っていた。
当時、私は小学生ながらも自分の携帯電話を持っていた。
(これの番号を伝えれば いいんだ……)
……しかし、私は 勇気が出せなかった。
Kくんとは 結局、 そのまま、何も無かった事の様に終わってしまったーー……
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