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第6話 あなたしか感じたくない
目を隠して。
腕も足も縛って。
不自由な芋虫になった私をあなたに愛してほしい。何も出来ないのをいいことに色んなことをしてくれてもいい私が動かせるものなんて口しかないから、キスしたあとすぐに口に押し込んでもいい。
苦しみもあなたの愛し方なのかなと理解したくて。
私はヨダレを分泌する壺になる努力をする。
入ってきたものがあなたのものじゃなくて無機物でも同じようにするわ。
わかるけどそんなの関係ない。
全てがあなただと思って私は頑張る。
多分おもちゃだなって分かっててもあなたが私に使ってるのは間違いないし。
ああ、入ってきちゃう。
大きくて硬いおもちゃ。
私は身動きが取れなくて体をカタカタふるわせたり、仰け反ったりする醜い芋虫。
冷たくてあなたのものとは全然違うけど、届いちゃいけないところに届いてるみたいでなんだか背徳感でもういきそうで。
でもいってもやめてくれないこともわかってるの。
もう真っ白になってどうにも息が詰まってこのまま死んじゃうのかと思った頃、おもちゃを抜いてやっとあなたが来てくれる。
こんな醜い芋虫でもあなたは愛してくれる。
目隠しを外して、キスしながらあなたは入れてくれた。
黙って目を見つめていたと思ったら一言。
「ぐちゃぐちゃだな。」
恥ずかしくて視線を外す。
「誰が視線逸らしていいっていったんだよ。
これから動くんだからイク顔よく見せろよ。」
ああ、好き。
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