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リアルを優先しない、ゲーム世界を嫌う俺は気付くと崖の前にただ突っ立っていた。
嫌な事を思い出した、冷や汗が顔に伝う度に生きている感覚を実感させられる。日々ゲームに浸る俺だから言える事だけど、オンラインゲームなんて実に退屈だ。
くだらない行を続けて、リアルの音声で話したり色々だが、ただただうざったいのだ。俺は現実により近付けたゲームが特に納得行かない、何故って理由を言えばさ。
俺さ、見たんだよ。パーティーに入ったプレーヤーの一人がさ、俺だけと会話している事に。
そいつは俺に言った、毎日朝方からログインして敵を討伐してるって、しかもサブ含めたキャラ全部を使ってるって話だ。
で、試しに徹夜して見張ってたんだけどさ、その日そのプレーヤーは現れなかったんだよ。
気付いたら俺は崖に居た、周りには静寂だけが広がっている。可笑しい、彼奴が見当たらない、そう思っているも一向にそいつは現れなかったんだ。
不思議に思って俺は、周りに訊いてみた、そうしたら偶然ツイッターで同じプレーヤー名の人間を見つけた。開いてみたら、そのプレーヤーは二年前からツイートがばったり途絶えてて、俺は思い出した。
あいつ、他のプレーヤーと全く話してなかったなって、そう。つまりは、あれは幽霊だったのかも知れないな……。
しかもさ、挨拶したらパーティーチャットでは皆何故かクエスチョンのマークを打ってるばかりで今更に理解したんだよ。
あいつ、存在を認識されてなかったなってさ。
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