空母いずも

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無数の無機質な電子機器に囲まれた その部屋に、ピリピリと張り詰めた空気が 漂っていた。 背筋を伸ばし、電子機器に向かい合う 男たちの表情に笑顔はない。 『ファルコン1よりいずもへ。 これよりファルコン隊全機着艦 体勢に入る。』 『こちらいずもCIC。管制を航空管制室へ 切り替える。誘導士官の指示に従え。』 男たちが見つめるモニターの画像が 艦外カメラの映像に切り替わる。 上空を旋回する航空機が3機、 甲板へのアプローチを試みる。 銀黒色の塗装にずんぐりとした 太い胴体。そのせいか、 両翼に赤いペイントで 描かれた日の丸の鮮やかさが より一層際立つ。 『着艦コースこのまま! 速力第一戦速を維持!』 CICの男たちの緊張とは裏腹に、 ファルコン1と呼ばれた機体は、 危なげなく着艦コースに進入すると、 機体後方のエンジンノズルを下に折り曲げ、 下面に配置されたリフトファンと スラスターファンで速力を殺し、 まるで白鳥が湖に舞い降りるかのように 見事な着艦を決めた。 『続いてファルコン2、着艦コースに 入ります!』
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