統合戦術指揮官

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『海自新型護衛艦がどう見ても空母ww』 『↑いや、ヘリコプター護衛艦=駆逐艦だからw』 『自衛隊が空母を持つのは憲法違反』 『↑空母を持っちゃいけないってどこに書いてる?』 こんな文字がネット中に踊る中、 いずもは進水式を迎え、タグボートで 洋上に引きずり出された。 2016年、夏のことであった。 そしてそれから5年後、 いずもはFRAM(大規模改修)によって 正真正銘の軽空母に生まれ変わることが 決まった。 2021年の通常国会でいずもの空母化改修に 伴う予算が承認され、2022年4月からの 改修工事が決定したのだ。 いずもの艦橋下部の空き部屋には 航空管制室が設置され、光学着艦装置の 取り付けや、艦首部分のCIWSの 移設、さらにはCEC対応能力が付与された。 CECとは、「Cooperative Engage Capability」 いわば「共同交戦能力」のことである。 艦隊を構成する他艦とリアルタイムで 情報を交換しあうことで、 他艦の発射したミサイルの誘導を 引き継いだり、自身が探知できていない 低空目標を攻撃したりすることが可能になる。 CECには米国が開発したものだけでなく、 多少性能は低下するものの、信頼性の 向上と低コスト化を図った 日本製の「J-CEC」も存在する。 今回いずもが搭載したのは前者の 本家CECであり、これは艦載機F35Bとの データリンクを迅速かつ円滑に行う目的がある。
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