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「いずもの改修予算は認められたが、
戦力化にはまだまだ問題が山積みだ。
何しろ初の海空共同運用艦だからな。」
かつての帝国海軍と異なり、
海上自衛隊には戦闘機部隊がない。
固定翼ジェット機については
最新鋭国産対潜哨戒機P-1の
運用実績があるものの、
制空戦を主任務とした超音速固定翼機の
運用ノウハウは皆無なのだ。
そのため海上幕僚監部は
航空幕僚監部との数ヶ月に及ぶ
検討の末、いずも型に搭載する
F35Bは航空自衛隊が保有することを
決定した。
「そこで君には艦隊と戦闘機の
統合運用に関する戦術研究、
訓練の実施及び指揮官の補佐を
行う新たな役職に就いてもらいたい。
我々は"統合戦術指揮官"、
"ITO"と呼んでいる。」
"ITO"正式名称"Integrate Tactics Officer"は
海上自衛隊が航空母艦を導入するに
当たり、新設された役職である。
米海軍や航空自衛隊で戦闘機の運用に
ついて学んだ三佐以上の海上自衛官が
任命され、DDV、制空護衛艦には
必ず1名以上のITOが勤務することに
なっている。
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