死因企画会議

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 ああそうだ、と付け加えた。 「この中で、英語喋れる人なんています? 最近は外国人のお客様も多いから、喋れる人いると助かるんだけど」 「全員喋れます」  女性のゾンビ役が言った。 「全員、英語圏の出身ですから」  にっこりと笑った。 「全員? あ、出身って、外国の町なんだ」  私は少々恐れ入った。  海外出身で、ここまでのプロ根性があれば、もっと違う場でも活躍出来そうだが。 「ただちょっと、古い英語なんですが」  女性のゾンビ役は言った。 「古いって、古風ってこと? いいじゃないですか。品がありそうで」 「品なんて、ちょっと……」  中年のゾンビ役が照れて笑った。 「あたしらの町は、貧しい地域だったから……」 「そこからみんなで出てきて、身を興してって感じですか? 立派じゃないですか」  私は言った。  ゾンビ役がみんな、ほっこりとした感じで笑った。  この人たちとなら、気持ちよく仕事が出来そうだと私は思った。  終
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