高架下の悪夢

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高架下の悪夢

 会食も終わり、私は帰途についた。  エレベーターでは妙なことが起きたものの、それは別に何かを見たわけでも、被害にあったわけでもない。少しだけ恐ろしい体験をしただけだ。お酒も入っていたせいか、私は気が大きくなっていた。エレベーターの件は大したことじゃないんだと思っていたのだ。  雨はすでに上がっており、私は傘をささずに繁華街に並走している、路地裏の道を歩いて帰宅していた。そこは昔、川があったのだと聞いている。今は暗渠になっているのだとか。暗渠、という言葉を初めて聞いたのも、ここを通りがかった時だった。当時、父親が教えてくれたものだ。  そうしてしばらく歩いていると、繁華街の明かりは随分と遠くになった。道にはまばらに街灯が立っているだけだが、大通りに面した道と合流したので、車のヘッドライトとテールランプで道は十分に明るい。そう、だから私は安心していたのだ。もう終わったのだと勝手にそう思っていた。  道が高架下に差し掛かった時だった。     
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