高架下の悪夢

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 幸い、今この話を書いている私は生きている。しかし、この話が誰かの目に触れる時には、私はもうこの世にいないかもしれない。もしかしたら、この話をあなたが聞いてしまうことで、あの男性があなたの元にやって来るかもしれない。それでも、私はこの話を書かずにはいられないのだ。許して欲しい。 ───あの男性が呟いていた言葉の中で、聞き取れた言葉を繋ぎ合せると、「次、順番、生贄」となった。  私なりに解釈し、自分の代わりに誰かを差し出せば、私が死ぬ順番を遅らせることが出来るのではないかと思ったのだ。現に、あの出来事から数年が経過しているが、私は生きている。それは、私がこの話を色んな方法で拡散しているからだ。次はあなたの番かもしれない。  夜、高架下を通る時には、スーツ姿の男性に十分注意して欲しい。
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