セクリウス物語２(下巻)

赤陣営の思惑

元サザン港街～

崩壊したデガー砦の地下

……………

スターザ王国、そしてシルビア帝国と。

ちょっと語りを頑張り過ぎている気もするが、もう少しだけ頑張って(何の話？)赤陣営の様子を御伝えしよう。

ここを語ると、四部の伏線と繋がりが薄々ながらも見えてくるハズだ。

……………

先の戦争に因り、デガー砦自体は半壊したものの、赤陣営の緋王カインは本拠地を砦の地下に移していた。

恐らく、目に見えし表側は予め崩壊させる予定だったのだろう。

「ククッ、ナルサスと共に………だがな？」

地下には最先端の技術が盛り込まれた特殊な部屋があり、現在緋王は此所に居る。

それほど広くはないが、瓦礫に隠された秘密の入り口を通り、様々なセキュリティを突破しないと決して辿り着けない………

ピピッ

「…………おっと」

……が、入室信号をキャッチし、特殊モニターで相手を確認後、カイン本人が招き入れれば話は別。

『カイン様、ワタクシです、シズクですわ』

「ご苦労」

カシャン！

…………

呼び出しした覚えは無いが、モニターにはシズクの姿が映されていた。

「…………何の用だ？」

ま、何かあったからわざわざ戻って来たのだろう。

尚、この場所を知り、カインが此処から指令を出しているのは、あの三人しか知らないことだと覚えておいて欲しい。

因みにあの三人とは、もちろんユリ、シズク、ボム爺さんを指した言葉である。