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「それなら良かった」
なんとか笑顔になってくれてホッと安心する俺。
理子は怒らせたらマズイから、自分の考えを曲げてでも下に出なければならない時もあるのだ。
俺達の関係って、将来絶対カカア天下だな。なんて勝手に妄想する俺。
「そいや、ここのカフェも店員全員、アンドロイドだよね。最近テレビ以外もアンドロイドだらけで、私、将来就職できるか不安だよ……」
少し不安そうな顔で店内を見ながら溢した理子。
『俺のところに就職すりゃ良いじゃん』
心の中ではそう言いたい。叫びたい。
でも俺は意気地無しだ。
だってまだ俺は学生で。
俺はじっと見つめる形になってしまった。
「どしたの?慧人?」
するとキョトンと俺を見る理子。
「な、なんでもないっ!いやー、機械工学の勉強をがんばろって思っただけ!受験まであと一年くらいしかないしさ!」
俺は必死に言い訳を探して返した。
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