鍵村受けルート

3/8
前へ
/22ページ
次へ
 警察官が、ビンの側面を、ピタピタと俺の頬に当ててきた。  思わず後ずさった俺だったが、狭い路地裏で、すぐに背中が壁に行き当たってしまう。 「まったく……ただの巡回で済むはずが、あなたのせいで要らない手間だ」  冷ややかな視線を俺に注ぎながら、警官が嘆息した。 「俺は、あなたみたいな酔っ払いが死ぬほど嫌いなんですよ。毎晩毎晩、警察(おれたち)がどれだけ手を焼いてると思ってるんです?」  知らねぇよ、と俺は内心で言い返した。  俺が酔っ払って、ビール瓶を割るなんて蛮行に及んだのは、誓って今日が初めてだ。  それなのに、見知らぬ酔っ払いのこれまでの愚行が、すべて俺の罪であるかのように、イケメン警官が俺を壁際に追い詰め、目をすっと細めて宣った。 「二度と悪さが出来ないように、躾けてあげましょう」  俺は耳を疑った。 「な……って、おいっ」  警察官の手が伸びてきて、俺の手首を捉えられる。  え、と思った瞬間、もう反対の手も掴まえられ、俺の両手首には手錠が嵌められた。 「たっ、逮捕されるようなことじゃないだろっ」  俺は思わず叫んだ。  確かに、ビール瓶を割ったのは悪いが、それでも手錠をかけられるようなことじゃない。  しかし警察官は、 「バカですかあなたは。あなたのしたことは立派な犯罪ですよ。でもまぁ、こんなことで調書を作るのもめんどくさい。俺が個人的にあなたを罰してあげます」  と言って、突然俺の足を払った。 「うわっ」  悲鳴を上げながら、バランスを崩した俺は、その場に膝を付いてしまう。  その俺の髪を上からむんずと掴んで、警察官が自身の下半身を俺の唇にむぎゅ、と押し付けてきた。 「うわっ、なにしやがるっ」  思わず顔を背けようとしたが、髪を掴まれているために動きが制限されてしまう。 「しゃぶりなさい」  警察官が、無慈悲にそう言った。 
/22ページ

最初のコメントを投稿しよう!

451人が本棚に入れています
本棚に追加