そんな相談、お断りっ！

別にやましいことはしていません

　「うるせぇ！
　　もう俺はそーゆーことはしねぇ！」
　放課後の空き教室に向かって、大声でそう叫ぶ。
　正確には教室の中に立っている一人の男子生徒に向かって。
　そう言われた男子は
　「そんなぁ～。
　　恭一郎ぉ～」
　と情けないことを言っていた。
　恭一郎と呼ばれた男の子はこの後も何回も男子に懇願されたが、
　「うるせぇ！
　　いい加減、諦めろ！」
　と叫ぶだけである。
　そんなことを何回か繰り返していたが、とうとう男子が諦めた。
　男子が教室から出て行き、廊下を歩いていく。
　去っていく足音が徐々に遠ざかっていった。