【3】使節団と仮面の騎士

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その日俺を起こしてきたのは、驚くべきことにエレナであった。 乱暴に反省塔の扉を開けてくるもんだから、その音で目が覚めたくらいである。 「ほら。これ着替え。今日はこれ着て1日過ごせって、大神官様が言ってたわよ」 そう言うと、ますます乱暴に着替えの衣装である白い礼服をベッドの上に投げてよこす。 「エレナ!お前。いつも以上に扱いひどいぞ」 「うっさいわね。なんか朝からイライラすんのよ。やたら眠いし」 「あ、眠いって。お前、昨日夜中に外を出歩いてただろう?あんな夜遅くなにやってたんだよ?ってか、暗い場所怖いって言ってたの嘘だったのか?」 「え?それ、ライお兄ちゃんにも同じこと聞かれたけど、大神殿戻って来てから、一度も部屋から出てないわよ」 「じゃ、夢遊病とかじゃないの?それか、暗闇怖いって言っとけば、ライに女の子扱いしてもらえると思ってー」 「はぁ!?本当にリヒトってむかつく。ほんと、ありえないから!」 「冗談だって。怒るなよー。で、ライはどうした?」 「知らないわよ。先に大神官様のところに行ったんじゃないの?呼びに行ったら、すぐに部屋から出て行っちゃうし…ったく、感じ悪い」
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