事実は小説よりも怪談なり。黒い丸

5/5
前へ
/5ページ
次へ
あの大型ブランコは 保育園にいる間中 近寄りませんでしたね おそらく トラウマとなっていたのでしょうね そして あの忌まわしき 黒い丸 いったい なんなのか? もしも 大人になった今なら いろいろと調べたりして 正体を探っていたと思いますが 先日 夢にあの黒い丸が 出てくるまで あいつを忘れていた 自分としては あの頃の怪我と 結びつけるなんて思ってもいなかったでしょうね 現に 私は 怪我をした事実は覚えていたのですが あの黒い丸は 記憶から消去されていましたからね 本当の恐怖心って 記憶を封印するのかもしれませんね さて あと一回 あの黒い丸の出現が ありました これは  やはり 保育園の頃の出来事です 夕方 母親が 買い物を近所の店へ行ってた時でしたね その日 なんか 風邪か何かで 居間で寝ていた私は またもや あいつ 平べったい黒い丸の出現を目の前に見てました あいつは 天井からゆっくり降りてきては 熱でボーッとしている私の右側のおでこへ すーっと入り込んできました さて 熱でボーッとしてても 寝てはいない自分の身に何が起きたか 理解できず 不安ななかで 母親が玄関へ 帰ってきては ほっとして 母に 今の出来事を伝えようとして 布団から起きては 立ち上がった その時でしたね ゆらーっっと 体が揺れては ガッシャぁ~ーーーーーーーん 物凄いガラスの割れる音と共に 私は 居間の窓ガラスに頭を突っ込んでいました 音に気がついた 母が 飛び込んできて 私を抱き締めては タクシーを呼んだことまでは覚えていますが そのあとは よく覚えていませんね ただ 包帯をおでこに巻かれて 何日か過ごした記憶はあります 以上ですかね あの忌まわしき黒い丸との想い出は。。。。 えっ 夢で最近見たが 大丈夫だったかって? はい 今のところ 大丈夫ですが そうそう 今も あの時の傷 おでこに残ってますよ 完
/5ページ

最初のコメントを投稿しよう!

1人が本棚に入れています
本棚に追加