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【程よい距離がいい】
小金井は解きながらいろいろと聞いてきた。
いつもなんの音楽聴いてるのか、どれくらい勉強すればこの問題が解けるのか、そして最後が。
「女子が嫌いなくせに私とはわりと話すよね?なんで?」
小金井と話す理由か・・・。
「普通の女子見えないし、」
「刺されたいか」
「俺見て好きだなんだ言わないし、」
「自慢かよ」
「あとは、まあ・・・知ってる女子で一番気に入ってるからじゃね?」
すると小金井の顔が赤くなっていく。
そんな顔されると少しだけ、マジで少しだけど可愛い、とか思うじゃん。
「恋愛感情ないのは、分かるけど・・・。改めて言われると照れる」
さっきの友達連れて告ってきた女子も顔を赤らめたときはなにも感じなかったのになんで今、目の前にいる小金井のこと少しだけど可愛いなんて思うんだ。
相手はバカな小金井のはずなのに。
「私もですね・・・一番男子の中で大平が話しやすいです。ムカつくけどね、腹立つけどね」
「話しやすくてムカつくとか矛盾してないか?やっぱバカ決定」
「プリント全問解き終わったよ!」
「バカが。俺のヒントがあったからの結果だ」
ちょっと悔しそうな顔をした小金井はペンケースに筆記用具をしまうと勢いよく席を立った。
そしてプリントを持って帰ろうとしたのでその手を引っ張っる。
「ヒントのお礼はなんかない訳?」
「欲しいの、お礼なんて」
「日曜どうせ暇だろ。出かけない?」
「なに?いきなりどうしちゃったの?」
「いいから小金井はバカみたいに俺に付き合えばいいだけ」
「大平!今日何度バカって言ったか知ってる!?」
「そんなのいいから。日曜付き合えよ」
「・・・」
「なあ。いいだろ?」
「・・・っうん」
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