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車で1時間程の街の病院へ。自分は場所が分からないし、カオリさんも行くと譲らなかったので一緒に行く事に。
車の中でも何も語らず病院へ急いだ。
小高い丘の上にある大きめの病院。夜中近い時間なので、当然の様に暗い。救急搬送用の入口だけが明るくなってた。
夜間用の入口から入る。
すぐユウさんが居た。
「悪いね、遅い時間に此処まで。」
「アキさんは?」カオリさんが、いの一番に訊いた。
「大丈夫。もう遅いから会えないけど大丈夫だから帰るぞ。」
ユウさんがカオリさんの腕を引っ張りながら…。
それでもカオリさんは何とか奥に行こうとし、自分と二人掛かりでカオリさんを止め病院を出た。
真っ暗な街灯も疎らな国道を進む。
その景色と同じ様に車内も暗く沈んだ雰囲気だった。
しばらくして、小さな声で後ろの席に座っていたカオリさんが言った。
「ユウさん何か知ってるの?」
ユウさんは黙って外を見ていたが、重い口を開いた。
「別に…命に関わることでは無いのは確かだから…そんなに心配する事じゃないよ」
「だって…あんなアキさん…。どう見ても何かあるでしょ!心配するに決まってるでしょ!」
気持ちが抑えられなくなったカオリさん。
また、沈黙が続いた。
「前にもあったんですか?…ユウさん何か、落ち着いていた感じがしたんで…。」
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