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前を見ながら、小さな声でユウさんに訊いてみた。
「はぁ~。さすがに駄目か。バッチリ見ちゃったもんねー、二人共。
…アキがね、コッチに戻って来て直ぐにね、一度あった。そん時は俺もビビったけど、まだアキの意識があったから何をすればいいかアキが言ってくれたから良かったけど」
「一応ね、それ以来アキに何かあったらあの病院に連れて行く事を言われていてね。
ただ、その後は大丈夫だったし元気になったから俺も安心してたんだけど。」
ユウさんが結構話してくれた。
「何の病気なの?」カオリさんが訊いた。
「うーん詳しい事は分からん。ただ病気っていうのかな?いわゆる自律神経の方?肉体的よりかは精神的な?だから貧血みたい感じかな、違うか。分からんけど呼吸を整えてあげて安静にすれば割と直ぐに落ち着くらしいぞ、アキに言わせれば。だから大丈夫なの!わかった?カオリ!」
カオリさんは、それでもツラそうな顔で涙を堪えた感じだった。
その後は、何も言えず、何も聞けず静かに夜の道を走った。
次の日
カオリさんは朝イチで病院へ行ったらしい。自分も気になったがあえてそっとしておく事にした。カオリさんが行った事だし、任せようと思った。
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