bench time 第2章

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風邪ひいてるんだよな~信金さん。 自分の方が若いし元気なのに、おばあちゃんを背負う事すら出来なかった。 病院の待合室の椅子に座り、疲れた感じの信金さんに申し訳ない気持ちになった自分は、自販機で水を買って手渡した。 「ありゃ、すいませんね。嬉しいなー、有り難く遠慮なく頂きますわ。」 と、信金さんが水をゴクッと。 「いやねー 自分は、おばあちゃんっ子だったんですよー。だからね少し嬉しいと言うかね。少しでもお手伝い出来て。」 そう言った信金さん。 ちょっと意外だったな~。 良い人なんだな~。 何も出来なかった自分より、よっぽど偉いですし。見かけだけで決めつけたら駄目だな、やっぱり大人ですね信金さん。 「お水ご馳走になったから、今度パァーっと飲みに行きましょうよ、おね~ちゃん沢山いる所に!」 信金さん。折角、いま信金さんの株上がったとこなのに、一気に大暴落っすよ! 一言多いんだな~。まぁそれが信金さんらしいのかな。 風邪をひいてる割には、相変わらずフットワークが軽い信金さんだが少しだけ良い面を知り見方が変わった。…多少。 ただ、おばあちゃんが苦しそうに座っていた姿が、あの日のアキさんを思い出し なんとも言えない気持ちになった。     
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