第4章.決着?

1/1

7人が本棚に入れています
本棚に追加
/9ページ

第4章.決着?

 学校を休んだ。とても勉強する気にはなれなかったし、 実際病んで来ている自覚があった。  このままでは狂ってしまうだろう。 こうなれば徹底抗戦だ。私は2階の部屋に潜みながら、 カーテン越しに外を覗き見る。  当然のようにあの子が居た。そのくらいは承知の上だ。 24時間籠城してやる。監視できるならしてみるがいい。  1時間、2時間、3時間。 彼女は微動だにせず、じっと玄関を見つめ続けていた。  怖過ぎる。本当に何が目的なのか。 いぶかしみながら遅めの朝食を頬張る私に、 一つの妙案が思い浮かんだ。  そうだ。警察に彼女を補導してもらおう。 ずっと付き纏われているんだ、ストーカーと呼ぶには十分だろう。  スマートフォンで110番。震えた声で事情を告げる。 お巡りさんは快諾し、至急見回りの者をよこすと答えてくれた。 さあ、後は逮捕の瞬間を見守るだけだ。  パトカーのサイレンが鳴り響く。 ありがたい、車で来てくれたらしい。 いくら彼女が素早くとも、 車から逃げ延びる事はできないだろう。  パトカーがうちの玄関の前で停まる。 彼女も何が起きたのか気づいたのだろう。 踵を返して走り去る。だが当然パトカーも追い掛ける。 『そこの少女、止まりなさい』  思わず安堵のため息が漏れた。  一つの可能性が(つい)えたからだ。 私が予想以上に狂っていて、 幻覚として彼女が見えていた可能性。 流石にそこまでは壊れてなかったらしい。  ほどなくしてサイレンの音が止まる。 おそらくは彼女を捕まえたのだろう。  ごくりとつばを飲み込んだ。これで正体が明らかになる。 どうか、他愛もない悪戯でありますように。  いくらそう願ってみても、脳は納得してはくれず。 恐怖は脳裏にこびりつき続けていた。
/9ページ

最初のコメントを投稿しよう!

7人が本棚に入れています
本棚に追加