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頭の中がもやもやして、もう一度喫煙室に戻る。減らし始めていた煙草を、今日は一本だけおまけしておこう。
火をつけて、煙をスーッと吸って、ふわーっと出す。煙と一緒にもやもやが出て行って、頭が澄み渡る。
二回目を吸いこもうとしたとき、喫煙室の扉が開いた。
「先輩、見ましたよー。耳まで真っ赤にしてたでしょ」
入ってきたのは一年後輩のメガネだ。こいつとはときどきエロ話をするような仲である。
奴は煙草に火をつけながら、にやにやとこちらを探るように見た。
「してねぇよ。俺は美尻派だ」
「知ってますよ。でも、あいつも締まった良い尻してますよ」
「お前なぁ」
「見るだけならありだと思うな」
「雑食か」
「懐が深いと言って」
「馬鹿なこと言ってないで、俺は仕事に戻る」
付き合いきれなくなって、おまけの二本目を半分も吸わないで、灰皿につぶした。
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