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駅について、今度はバスを待つ。
このバスはいつもつなぎが悪い。かといって、歩いて帰るには距離もあるし、待たざるを得ない。
バス停のベンチに座って待っていると、体が重くなって瞼が落ち始めた。
彼は少し前にトイレに行くといって、離れている。
今日は本当に疲れた。精神的に。早く帰って、風呂に入って、寝たい。
いや、今日はちょっと頑張ってDVDを見るか。男としての自信を取り戻したい。
「先輩、眠くなっちゃいましたか」
「まあ、疲れたからなぁ」
「じゃあ、はい、これ」
彼が渡してきたものは、焼き鳥と缶ビール。
「ほんとは一緒にご飯とも思いましたけど、先輩疲れてるし。バス待つ間だけ付き合ってください」
隣に座って、プルタブをプシュッと開けた。
「カンパーイ」
俺が勢いだけで受け取ったまま、開けてもないビールに勝手に缶を当てた。
意外と男前なのかもしれない。
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