第一章 悪者

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夕方の6時35分、俺は一つのニュースに釘付けになった。 ーー緊急速報です。先ほど〇〇県〇〇市のアパートで、男性が一名亡くなられていることが確認されたと速報が入りました。なお、いまだに犯人は逃走中で犯人の顔も分かっておりません。この事件はこれで二人目です。死体は頭部が切り取られその部分は見つかっておりません。被害者の共通点は同じ小学校の生徒だったということだけです。〇〇市の住民の皆様外出する際はお気をつけてください。以上速報でした。ーー 「いやだ、うちの近くの学校じゃない。あんたも気をつけなさいよ。」 このニュースはSNSで一気に広まり一躍話題となった。 智司は唖然としていて片手に持っていた溶けかけているアイスの一滴床に落ちた。 この二人智司には見覚えがある。そしてその二人に共通する一人の男を智司は知っている。 「だが、あいつはもう死んだはず・・・」 智司は床に落ちたアイスに気づきティッシュで拭き取る。 ~十年前~ 智司達は小学5年生だった殺された二人は博臣と克樹、そして死んだあいつは春樹。 俺は博臣や克樹達とはあまり仲良くないし春樹とは一度しか話したことない。 小学5年生に修学旅行があり、そこの班で智司は春樹と博臣と克樹と同じ班になった。 「よ、よろしく」 智司はぎこちなく春樹に言った。 「うん。」 春樹は二文字で返した。それっきり話すことは無かった。 「おい、せっかく同じ班になったのに、もっと仲良くできねーのかよ」 智司の隣にいた博臣が春樹に向かって言うが春樹は黙り込んだままだ。 とても空気が悪い。 みんな静かになったまま時間は過ぎた。それからも春樹と博臣の間で同じようなことがあり、克樹も春樹に言うようになった。 修学旅行当日智司達のクラスは東京に行くことになったクラスの興奮は止まらず、新幹線でトランプをしながら 「自由行動何する?」 などクラス中のみんながそんな話をする中、智司の班は、気まずい空気になっていた。 博臣と克樹はクラスのみんなと同じような話をするが智司達は気まずくてそんな話をすることができなかった。 東京に着いた後も二人だけで行動し、残された智司達は会話もなく行動することになった。 やっと一日が終わりホテルに帰るとホテルは二人部屋で、春樹と智司が同じ部屋になる。 気まずくなり、智司はほかの仲いい人の部屋で消灯時間まで過ごした。
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