第一章 悪者

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部屋に帰ってドアを開けると怒鳴り声が聞こえた。その声はよく聞く声で、博臣と克樹の声だった。 「お前、いい加減にしろよ!俺たちの財布から金とっただろ!」 どうやら春樹が二人の財布を取ったと言ってるらしい。春樹はずっと黙ったまま下を俯いている。 博臣は俯いた春樹を見て髪を引っ張り顔を殴った。智司は何もできずドアから覗くことしかできなかった。 すると、 「おーい、早く入って寝ろよー。消灯時間だぞー」 クラスの担任が来た。 それが博臣たちにも聞こえていたのか急いで部屋から出て自分の部屋に帰った。 そして、修学旅行から帰って二人のいじめは始まり、春樹がトイレから帰ってくると、いつも全身濡れていた。 だれも止めることができず二か月後、春樹は家で首を吊って亡くなったと担任の先生から聞いた。 これはニュースにも取り上げられ原因はいじめからだと判明した。 学校側はいじめに気付かなかったと主張していたが、学校側にも責任があると春樹の家族は抗議していたのを俺は春樹の時のように見てないふりをして学校から最初の角を曲がると家までは走って帰った。 そして博臣と克樹は一か月の謹慎で済んだ。
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