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四人の冒険者
残りの二人が目を覚ました後、まず四人が揃って向かったのは当然というべきかギルドだった。時刻はまだようやくギルドが開いたばかりだったが、早いに越したことはない。
頬を紅潮させて、ライは期待に胸を膨らませていた。一応隠そうとはしているらしいが、わくわくしているのが全く隠しきれてない。
やはり解放される前と後では気分的にも色々と違うのだろう。
四人で現れた彼らを不思議そうに見る者もいたが、ライは昨日も来るには来ていたので、意外にもあまり気にされてはいないようだ。
「えーと、すみません。冒険者登録とパーティ登録をお願いしたいんですけど」
そう言ったのはロベルトだ。ちなみに受付嬢は、レッドウルフの時に褒賞金を渡してくれた彼女だった。
「おはようございます。登録ですね。登録者はライさんですか?」
「そうだよ。ボクもようやく解放されたんだ。だから、ね」
それを聞いた受付嬢は、嬉しそうに笑った。彼女もまた、囚われていた門下生達に助けられたことがあるのだ。
門下生のシンパでもあった受付嬢の少女は嬉しそうににこにこしながら、すぐに手続きはを始めてくれた。
「それではこちらにお名前と職業、できれば出身地もお願いします」
「はーい」
渡されたペンでさらさらと言われたことを書いていく。出身地の欄でどうしようかと迷ったようだが、結局何やら記していた。
興味深げにそれを背後から覗き見る三人に構わず全ての欄を埋めたライは、よしと小さく呟いて受付嬢に渡した。
「確認いたします。お名前はライさん、職業は剣士、出身地はアドネス付近、でよろしいですね?」
「よろしいです!」
「では次に、所属パーティですが……『空の夜明け』さん、ですよね」
断定口調の問いかけに、ライより先に他の三人が頷きを返す。その様子を見た受付嬢は少し苦笑しながら、パーティ登録を行ってくれた。
「……はい。冒険者登録、パーティ登録ともに完了いたしました。こちらが冒険者カードになります」
手渡されたそれは、真新しい正真正銘の冒険者の証。これがあれば、ライはすぐにでもロベルト達と一緒に旅ができる。
このカードを手に入れてようやく、ライは自分を縛っていた全てが消え、自由になったのだと実感した。
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