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大の男が鼻声で泣いている。ものすごく、気恥ずかしい事を言いながら。
けれど、きっとこれがこの人の本気の優しさなのだろう。今は素直にわかる。
修一がいなくて死にそうに寂しいけど、それだけは分かる。修一が、見逃さないでって言ってくれたもの。大切な事。
ねえ、修一。こんな時、笑ったらいい? それとも泣いたらいい?
肩の力を緩めた途端、私のお腹がきゅるると鳴った。
よりにもよって、そう来るか。
「お腹空いた。ごはん作って、お父さん」
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