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一方。魔王ダークメサイアの表情には余裕があった。闇のカリスマ。闇に光をというマニュフェストを掲げ出馬し当選した魔族の代表。魔族の寿命は人間の五倍はある。見た目は人間の肌が青く染まったようなだけの違いだ。闇の救世主……無にして始まりであるがキャッチフレーズであった。
その表情はあまりにも美しい、だからこそ冷たくも見える。魔族でもまだ20代であった。その若さに関わらず世界を征服を企てている一角の人物。その魔力は壮絶で、辺りを廃墟と化したのもその力だ。女性のような美麗な容姿の両頬に月のような形のタトゥー。女の子に人気が高そうであった。
黒衣のマントをたなびかせて、右腕を横凪ぎに振るう。
オルフェンの頭上に黒点が浮かんだかと思うと、そこから黒い光線が真下に流れた。
「くっ……」
身をよじらせかわす。
ここで魔王を倒せば、世界は平和になる。エンディングスクロールが流れる。
しかし、魔王は強い。
まだ自分にはレベルの高い相手だったかもしれない。しかし、退く選択はない。
魂を燃やし、身体が果てるまで戦う。
それが勇者だ。
「食らえぇぇっっっ! ライトニングアーク!」
勇者の使用できる最強の魔法。
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