異世界の空へ

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異世界の空へ

 時は西暦2003年、2001年9月11日に起きた民間旅客機による、アメリカ同時多発テロ事件を皮切りに、アフガニスタン紛争、イラク戦争が始まった。  その戦争のバグダッド制圧作戦支援、アメリカ軍戦闘支援(実際の史実とは異なります)と人道復興支援活動と安全確保支援活動のため、日本の自衛隊もイラクに派遣されていた。  それは長坂智樹(ながさかともき)が所属する、航空自衛隊北部航空方面隊第3航空団飛行群第3飛行隊も同じであった。 「こちらローフィ、敵機の機影なーし! 今日もイラクの空は平和だよー!」 「了解! それではルートを巡回した後、基地へ帰投しろ」  長坂智樹これは本名だが、作戦中や普段にも使うタクティカルネーム、略してタックネームがローフィである。  なぜローフィかというと実家が風呂屋をやっていると、入隊の時のオリエンテーションで自己紹介の時に言ったのが原因でその時に智樹の直属上官に「じゃあ、お前のタックネームはローフィな!」と、安直に決められたのだ。  そして、2ヶ月間飛んでいる、いつもの慣れた空路を巡回して基地に帰投しようとした時、目の前に巨大な雲が現れた。 「でけー雲だな! 突っ切るか!」     
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