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智樹は悪い顔をしながら、さすまたを荷車の干し草にさしてノーリを見ている。
「ローフィ! 何をする! おかげで干し草まみれだ!」
ノーリは、着ている白衣についている干し草を、手ではらっていた。
「わりぃわりぃ! てか、なんでこんな干し草小屋なんかで寝てるんだよ!」
智樹は片手を自分の顔の近くに持ってきて、悪びれた風も無くあやまった。
「あぁ、昨日は一日かけて戦闘機の研究をしていたんだが、夜になって急に眠くなったから、ここで寝ていたのだ! それよりローフィ! 何か食べる物とミルクは無いか? 腹ぺこなのと、朝のミルクが無いと頭が回らん」
ノーリにそう言われ、「いいもんやるよ!」と智樹は自分の部屋へと走っていった。
少しすると、干し草小屋の扉が開き、智樹が深緑色の缶詰と袋のような物と、瓶に入ったミルクを二人分持ってきた。
「俺も朝飯まだだから、一緒に食おうぜ!」
智樹の顔はもの凄くニコやかな顔をしていた。
「その缶づめと袋の何処がいい物なんだ?」
智樹は、訳が分からないという顔をしているノーリに、もの凄くいい笑顔で答えた。
「これは我が、日本の自衛隊が世界に誇れる物の一つ! 戦闘糧食だ!」
ノーリは、ますます訳が分からないという顔をしている。
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