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「戦闘糧食と言うと、作戦中に兵士達が食べるレーションの事だろう? 何故、そんなまずい物を僕が朝から食べないといけない! いや、僕が何か食べるものと言ったからなのか? これはローフィの、僕に対するいじめなのか?」
智樹は、ノーリのこの顔を見てニヤリとした。
「いいからだまされたと思って食べてみろよ! ほら缶切り! ここ引っ張って、これ入れて!」
智樹はノーリに、戦闘糧食の食べ方を教え、少しの間モーリアンヒートパックで計4つのレーションが、蒸気加熱されるのを待った。
加熱時間の間もノーリは、智樹がレーションを持ってきた事に文句たらたらの様子で、ぶつぶつと文句を言っていた。
「もう大丈夫だ! さぁ食べようぜ!」
智樹はそう言って缶詰を缶切りであけると中には、ほかほかの五目ご飯が入っていた。
もう一つの袋をあけると、その中からは赤ワインソースの芳醇な香りが干し草小屋にたち込め、ノーリの鼻孔をくすぐった。
ノーリはあわてて、その開けられた袋の中を確認すると、その中には牛肉の赤ワイン煮が入っていた。
「はぁぁぁぁあぁ!? これがレーション!?」
「いいから、食べてみろって!」
智樹は驚きを隠せないでいるノーリに、レーションを食べさせた。
するとノーリは驚きのあまり、「ひゃう!」と言ってその場で座りながら飛び跳ねた。
まるで、ポ…… やめておこう。
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