僕はあの子に恋をする。

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【◇月〇日】  明日、僕は思い切って君に告白してみようと思う。  夢の中ではあんなに簡単なことが、現実だとこんなに難しいんだね。  君は何て答えてくれるのかな。  昨日の夢の中では、君は泣きながら喜んでくれたね。  一昨日の夢の中では、素っ気ないふりをして、後から連絡先を教えてくれたね。  一週間前の夢の中では、君の方から告白してくれた。  だから、今回は僕から告白する。  だって夢の中では既に、僕らは愛しあっているのだから。 【◇月×日】  医者は嘘をつく。  僕は妄想にとりつかれてなどいない。  だって君はそこに実在するし、手を伸ばせば触れられる。君は妄想の産物なんかじゃない。  毎日君は、僕の夢の中まで遊びに来てくれて、誰にも話せない心の内を明かしてくれる。君は妄想の産物なんかじゃない。  君は毎日、僕の乗る妄想の産物なんかじゃない電車に乗って、僕に会いに来てくれる。だから君は妄想の産物なんかじゃない。  君は毎日、妄想の産物なんかじゃない僕の、妄想の産物なんかじゃない夢の中へ遊びに来てくれる。だから君は妄想の産物なんかじゃない。  妄想の産物なんかじゃない僕の手を伸ばせば、妄想の産物なんかじゃない君に触れられる。  だから僕は、今日君を抱きしめる。  医者は嘘をつく。  君は妄想の産物なんかじゃない。  僕は妄想にとりつかれてなどいない。  君は妄想の産物なんかじゃない。  君は妄想の産物なんかじゃない。  だから僕は、君に恋をする。  妄想の産物なんかじゃない。  君が妄想の産物なんかじゃないことを証明する。  君は妄想の産物なんかじゃない。  君は妄想の産物なんかじゃない。  君は僕に、恋をする。  名前の知らない君に。  妄想の産物なんかじゃない君に。  君は妄想の産物なんかじゃない。  
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