僕はあの子に恋をする。

【□月×日】

　僕は今日、初めて彼女の笑顔を見ることができた。

　他愛もない、日々の出来事で笑う君。
　それはまるで、僕が過去に置いてきた大事なものを、君が照らし出してくれるみたいだった。

　君の笑顔は僕を元気にしてくれる。

　だから今日も、君の笑顔がみたいんだ。
　世界中の誰よりも、君にだけは笑っていて欲しいんだ。

【□月▽日】

　僕は今日、初めて君の怒った顔を見た。

　いつもは友達と笑っている君の、初めて怒った顔。
　誰だって、誰だか知らない人に制服の乱れを注意されれば怒るよね。

　僕はその時、離れたところから君を見守っていた。
　君が助けを求めれば、僕はいつでも駆けつける。
　僕はどんな時だって君の味方だ。

　でも、君は強い人だった。
　注意をしてきた男性を、見事追い返したね。
　君の父親だ、なんて言っていたけど、本当かどうかなんて分からない。

　女の子だって、護られるばっかりじゃないんです。
　君はいつか、そんなことを言っていたね。
　あれはいつのことだったかな。

　あれは、一昨日僕の夢に君が出てきてくれた時だったかな。