殺してください

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 そう呟き、真司は動かなくなった。最期になんて言ったのか分からない。せめて、死に際だけでも反省してほしかった。最もやってはいけない事をやったのだから。 「時間まであと三分ありますよ? 少しお話しませんか?」 「あんたがおねんねさん、基殺し屋か」  バーテンダ―の女性はこちらに向かって歩み寄った。妖美な歩き方はまるでモデルの様だ。長く艶のあるロングヘアが灯りに反射して光る。まるで彼女だけが別世界にいるみたいだった。 「いかにも。私の名前は敬島ロディ。殺し屋だ。なんで、あんな手紙を出したんだい?」 「拝啓、殺し屋さん初めまして、僕の名前は田所大和といいます。単刀直入にいいます。殺してほしい人物がいるんです。彼は犯罪に手を染め、毎週酔いつぶれた女性を無理やり抱いています。他にも弱きものから金を巻き上げたり、動物を虐待したりと決して人前では言えないことを平然と行っています。お願いします。殺してほしい人の名は田所大和。僕自身です。僕は友達の愚業を止める為に彼を殺して、その後僕も死にます。彼を止められなかった僕も許される訳が無い。しかし、その覚悟が今の僕にありません。なので、二十六日零時に僕を殺してください。もし、僕が彼を殺せなかったら、彼は死ぬまで愚行を続けるでしょう。それを止めたい。僕は彼の友達だから。友達として彼の行いを命を懸けて止めます。どうか、ご返事を下さい」
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