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絶望が心を蝕む。
もう止めておけと諦めが優しく囁きかけてくる。
だとしても、自分には―――幼馴染みの死を認めることが出来なかった。
力なく伸ばされた幼馴染みの腕にある時計を握る。
運命が幼馴染みを殺すのなら、その運命に打ち勝つだけ。
そう。必ず、必ず、死を覆してみせるんだ。
だから―――繰り返す。
3度目の繰り返しはコンビニに寄り道をすることで、18時30分を迎えることにした。
室内ならば事故の危険性を大幅に減らすことが出来る。
コンビニが突如崩壊する危険性も考えたが、それは地震でもない限りは無理なので除外した。
事故の危険性はない。これならと思ったが―――ダメだった。
今度の幼馴染みはコンビニに押し入ってきた強盗に、ナイフで刺されて殺された。
もちろん、自分を盾にしてでも守ろうとした。でも、幼馴染みは自分を庇って死んだ。
バカ…! そう声を上げて叫んだが全ては遅い。
いつものように1人取り残された自分だけが世界に残る。
もう変えられない。この運命は絶対だと。
否応なしに現実が突き付けられる。
だとしても、やっぱり認められない。
幼馴染みは必ず自分が守ってみせる。
だから、繰り返す。
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