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まひるのキャスケット 第1話
○宇宙空間
暗闇。
針先で突いたほどの、小さな赤い光がひとつ現れる。
同時にラジオの音が聞こえる。
パーソナリティ(声)「では、ひきつづ……次の……繋げま……」
ノイズが混じりほぼ聞き取れない。
パーソナリティ(声)「おなま……教え……ください」
少女(声)「ま……るです」
パーソナリティ(声)「まひるさん……ですね?お空のサイエンステレフォンへ
お電話ありがとう」
ノイズが減り、音質が段々とクリアになっていく。
小さな赤い光の周りにはいくつもの星屑が現れ、輝き始める。
パーソナリティ(声)「聞きたいのはどんな質問ですか?」
少女(声)「わたしのおじいちゃんが、お父さんとお母さんはお星さまになって、
わたしたちのことをみまもっているんだよとおしえてくれました」
猛スピードで集まり続ける星々。
少女(声)「でも、お空をさがしても、どの星がお父さんとお母さんなのか
わかりません。どうしたら、お父さんとお母さんの星がわかりますか?」
おびただしい数の星々が、ガスを纏った巨大な銀河を形成する。
パーソナリティ(声)「これはとても難しい質問ですね……。そうだよね、
お空にはたくさん星があるから、どれがお父さんとお母さんの星かわからないよね。
先生も小さい時、キミと同じことを大人から教わりました。
先生は宇宙の研究を始めて何十年にもなるけど、
大事な人の星はまだ見つけられていません。だから、キミの質問の答えは
『わからない』ということになってしまいます」
少女(声)「はい……」
弱々しくなる少女の声。
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