まひるのキャスケット 第1話

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   バタバタと慌ただしく物音を立てているのは、真昼の姉・星出真夜(ほしで・まよ)だ。 真昼「だから昨日のうちにやっておけばって言ったのに」 真夜「間に合っちゃえば昨日も今日も同じ!結果オーライ精神は人生を豊かにするぞ~」 真昼「はぁ……」    深いため息をつく真昼。 真夜「はい、できた!あと何分?」 真昼「80秒」    船内のカウンドダウン計は残り80秒をちょうど切る。 真昼「まったく、いつもギリギリなんだから」 真夜「細かいなあ。お姉ちゃんはギリギリこそあれ、  間に合わなかったことがないのが自慢なのさっ」    ドヤ顔の真夜に対し、呆れ顔の真昼。 女性オペレータ(声)「発射準備完了。70秒前。自動カウントダウンシーケンス開始」    エンジン音は次第に大きくなり、轟音が鳴る。 真昼「さぁ、準備はいい?」 真夜「Why not?」    二人は操縦席で姿勢を正す。 女性オペレータ(声)「発射20秒前……。10秒前。点火。10、9、8、7」    ドックのゲートが開き、朝陽が射し込む。    天空へ向かって射出レーンが伸びていく。 真夜「さあ!いっちょ景気よく行こうか!」    笑顔を浮かべ、真夜はふんぞり返る。    瞳を輝かせ、興奮を抑えられない様子だ。    その一方、真昼は真剣な面持ちをしている。     
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