第六章 Town

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 その人らはそれで本当によくやっていると思う。本当はそういう人らが称賛されるべきである。人間一人ひとりに人生があるし、歩いてきた道があるし、守るものがある…と思う。彼の、死ににいく人生も、ある意味一つの生き方かもしれない。  本当に問題なのは、一部のみが莫大な金を得ていい思いをしながら、飯を食い、服を着て、屋根のあるところに住んでいることだ。そしてそれが何十年も続いてしまっている。どこの業界にも上司という存在があり、立場やら役職やらという肩書を得て優越感に浸り、下をこき使う。そして何より、政治家はつけ上がった無能集団だということが顕著になっている。個人の価値観に縛られ、派閥を作り、特にならないことを議論している。そんな奴らが世の中を平和にできると思うか?しかし国民はもう抵抗する気力を当の昔に忘れており、異常な政府にくっついていくのみである。そして仕事から帰ってきて酒を飲んで気晴らしして、また明日もこき使われに行く。人類はもう取り返しのつかないくらい不平等な世の中になった。  全ての、教育やら政治やら制度やらが古すぎる。何十年前の物を対して見直しもせずに使ってんだ…?という話だ。おかげで世の中はマンネリ化し、くたびれ、人々はいくら働いても見合った給料はもらえない。それをネット等で嘆き、イライラし合い、憎み合い、傷を舐め合い、それがこじれると犯罪にまで発展する始末。そして政治家はそれらをすべて無視し、大量の金だけ巻き上げてトンズラする。奴らに世の中の現場のことなどわかる訳がないだろ?俺たちと桁の違う額の金を受け取ってるような奴らが、俺たちの何十倍もご立派でセキュリティ完備の豪邸に住んでるクソ共が、俺達の生活の制度やら文句やらを統制するだと?殺されたいのか?ぶっ殺すぞマジで。金持ち共よ。  調子こくのも大概にしておけ、古い人間にはもう何も出来ねえよ。  本当は現場で働いている人たち一人ひとりの意見を聞いて、それを我々人間が生活していくうえでのやってはいけないこと等の約束事として定め、金も一人ひとりがなるべく困らないように分配できるようにすることが、今より良い世の中、少なくとも一部が莫大な金でよい思いをして生きる世の中よりは良くなると思う。
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