◆弥月25日・風曜

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背景:ハニカム  天窓を強い雨が叩き、暗めの店内。  木製の丸テーブルと椅子が数脚並び、奥には複数の個室扉と二階への階段。  あらくれ者が集まる[ボトマーズギルド]と呼ばれる酒場兼宿屋。  客らしき人物は、たった一人。  ラサは再び、カウンターで突っ伏した。 メイ:もぅ‥‥ラサってば、ちゃんと目を覚ましなさぁ~い!  先ほどの稲光で顔を背けたラサの後頭部が再度、盆で叩かれる。  そして、窓辺に腰掛けたメイ。 メイ:ねー、ミイ遅いねー?‥‥って、また居眠りぃ?  メイは、足をブラブラさせながら、ぷくりと頬を膨らませる。 ラサ:アーケード街へ買い物行っただけだろ? 心配ねーって。  再度、寝返りを打って、鬱陶しそうに反対側を向くラサ。 メイ:もう‥‥頼りにならないんだから。はい、あーん★  メイは、ラサから興味を逸らし、足元に居た、もう一匹の珍客に干し肉の塊を落とす。  グワッと大顎を開けたのは、人間より二回りほども大きい鰐。  ラサの相棒、墨を被ったのかと思うほど真っ黒なクロコダイル。  その背には鐙のようなものが装着されている。  烏色に鋭い爪、名は体を表す‥‥安直にクロウと名付けられた鰐。  クロウがムシャムシャと咀嚼する姿は、なかなかに怖い。 怒鳴るオヤッサン:オレの可愛い娘が誘拐でもされたら、どうしてくれる、ぁあ!?  ガッシリ体格、日焼けして、ラフな半袖短パン姿、使い込まれた鋼鉄製の斧を腰に下げている。  頭は髪の毛一本無いツヤツヤ、黒い眼帯。自称ダンディなオヤッサン。 メイ:だぁから、エスコートしてあげてって頼んだのにぃ。  また頬を膨らませ、クルクルと表情が変わる。 image=510737280.jpg
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