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背景:入り口を見遣ると、大荷物を抱えた小さな影。
ミイ:ラサ、たっだいま~♪
気のない返事のラサ:おー。
彼はで片手を軽くひらひら、再びカウンターに突っ伏す。
メイ:おっかえり~★
荷物を半分受け取り、互いの左右の掌で。
双子:YEAH~!
ハイタッチ。
メイ:あれ、でも今日は荷物少なくない?
受け取った荷物の半分を覗き込みながら尋ねるメイ、中身は食材や消耗品。
ミイ:あ、そうそう。迷子の仔猫拾っちゃった。で、半分持ってもらったの~♪
興味無さそうに呟くラサ:‥‥またかよ。
ミイ:あーもう、気にしないで入ってきてよ☆
入り口で所在無げにしていた、もう一人の影の手を取って迎え入れる。
ズブ濡れ、長い黒髪から雨露が落ちる、まさに水も滴る美少女。
非常に特徴的なのは純白の翼、濡れて萎れてしまっているのが残念。
彼女は[空の民レガン族]という種族で、お年頃のハイティーン。
あまり飾らないベージュのワンピース、肩紐の後ろには可愛いクマのリュックサック。
そして、左上腕には見慣れない紋章が描かれた銀製の腕輪。
双子:ウェルカムtoハニカ~ム♪
彼女からも荷物を受け取って、もう片方の手を取り、双子揃って店内へ連れ込む。
そして、手際よくカウンターに荷物を並べ始める。
誘拐の心配は杞憂に終わり、頬を緩ませているオヤッサン。
オヤッサン:おかえり
タイミングを見計らい、最高の笑顔で娘の帰還を喜ぶ親馬鹿。
オヤッサン:後はオレに任せて、三人で風呂いってこい
双子:うん★☆
きゃっきゃと騒ぐ双子に手を引かれ、少女は店の奥の浴室へと消えていく。
それを見送ったオヤッサンが急に真顔になり、
オヤッサン:覗いたら‥‥殺す。
本物の殺気をラサに叩き込む。
しかし、彼は突っ伏したまま、右から左に聞き流し、
ラサ:こんな天気の日はダラダラすんのに限るな‥‥。
少し顔をあげて、もう一口水を飲んだ。
その瞬間、閃光。
効果音:《DooooooooNッ!!》
双子&リル:キャー!
オヤッサン:おい、大丈夫か!
オヤッサンが、慌ててカウンターを飛び越え、扉を叩く。
危うく開けそうになるが、寸での所で思い留まって、何やら首を振っている。
興味ナシなラサ:こりゃ近くに落ちたかもな‥‥?
天窓を見上げるラサ。
今度はクロウが大きな欠伸をした。
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