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それは、願ったり叶ったりなのだが……。
「どう、して?」
「ん?」
「どうして、そこまで手を貸してくれるのか、分からない。いい事は、ないんじゃ…」
こちらのメリットはとても大きい。でも、騎士団は? 帝国は? そんな事をして、いい事はあるの?
クラウルは頷く。そして、騎士団の考えを明かしてくれた。
「どのみちここまで干渉するなら、ジェームダルは遅かれ早かれ帝国への侵攻を開始すると考えている。お前達はその先鋒、もしくは斥候のようなものだろ?」
リオガンは頷いた。
先に帝国に潜入し、町の様子や争いの種を集め、内部抗争などを引き起こしておく。国内で疲弊した所をジェームダルが攻め入れば、楽に戦えるということだ。
この手で、ラン・カレイユの陥落は楽になった。
あの国は王族の中で二派あり、劣勢の方に肩入れをした。唆し、同時に村や町で子供を浚うよう人買いを手引きし、これは主流派の力が足りないからだと風潮してまわった。
国民の支持を失った主流派はどんどん力を落とし、劣勢だった方は力を増し、内部で争い互いを削った。そこに、圧倒的な武でベリアンスが攻め入って両派を一気に叩いた。
今も抵抗はしているだろうが、それも後少しの事だろう。
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