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応援がかけつけ、男はスピード違反だけではなく、逃亡したことや銃の発砲でも逮捕されることとなったのだが、発砲に関しては自分は撃たれたから護衛の為に撃ったのだと言いだしたため、検挙出来るか分からないとのことだった。
そんなのウソに決まっているのだが、冤罪だの何だのと言われても面倒だし、もともとの罪はスピード違反であるからして、そちらだけで送検することになるとのことで、それほど長くは刑務所に入らないだろうとのことだった。
「身元は?」
「垣多周歩、住所不定だってさ」
「あのタレ目野郎。絶対ぇ前科あるだろ」
「あ、やばい。吐きそう」
紹介が遅くなってしまったが、この2人の男のことを話そう。
助手席に座っていた、ややオールバックの髪型をしている黒髪で、紫のシャツに黄色のネクタイをつけているのは相裏昌史。
酔いながらも運転を続けていた、黒髪で特に特徴のない髪型をしている、黒のブイネックを着ているのは崎守瑞希。
2人は『特殊事件専門特別機密捜査班』、通称『キツネ班』に属している。
つまりは、人手の足りない部署の手伝いをしたり、雑務もこなし、手荒なこともする、嫌われ者の班、ということだ。
大層な名前がついているが、ただの使いっぱしり。
一仕事を終えた相裏たちは、腹ごしらえをしようと店を探していた。
「腹減ったー。焼き肉喰いてぇ」
「喉渇いた。味噌汁飲みたい」
「水あるだろ」
「水はヤダ。味噌汁が良い」
「わがままか」
本当は車で帰る予定だったのだが、崎守があまりに酔っていたため、車を他の人に任せて歩いてきたのだ。
相裏も運転は出来るのだが、崎守曰く運転がとても荒いため、すぐに酔ってしまうとのことだった。
どうしようかと店を探していると、女性と男性がなにか言い争いをしているのが見えた。
「ちょっくら行ってみるか」
「え・・・放っておけばいいのに・・・」
面倒臭そうにしながらも、崎守は相裏の後を付いて行く。
女性はロングヘアーを靡かせながら、男性に対してこう言っていた。
「触ったわよ!白状しなさい!!」
一方で、男性、といっても見た目はその、サングラスをかけて煙草をふかし、黒の短髪で左目には傷がある、目つきの悪い極道系の方だろうか。
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