噂の立つ学校

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噂の立つ学校

あれは、私が教員として初めて赴任した学校での出来事でした。 その学校では、以前から家庭科室に女の子の霊が出るだとか、歴史コーナーに置かれてる古い電話が鳴るだとか、そんな噂が流れていました。 その当初は、学校だし、そういう怪談話の1つや2つ、面白半分で作る人がいるんだろうなぁ。と、思っていました。 しかし、その噂は、子どもたちの間だけでなく、先生たちの間でもされていたのです。実際に、奇妙な体験をしたという人もいました。 朝早く来て誰もいるはずのない更衣室から声がした。とか、放課後の教室でうたた寝をしていたら、金縛りにあい、目を開けた見知らぬ子どもたちに囲まれていたとか。写真を撮ればオーブやおかしな手が写り込むなど。奇妙な話しが飛び交っていました。いよいよおかしな学校だなと、思い始め、私も夜遅くに教室に一人で上がるのは、控える様になりました。 研究授業を目前に控えたある日、授業の準備がなかなか終わらず、帰りがだいぶ遅くなってしまいました。学校に残っているのは、私と先輩の女の先生の2人だけ。 私たちは、職員室でお互いの仕事を進めていました。「早く終わらせて帰りたい。」私は、少し焦る気持ちで仕事に取り組んでいました。
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